Peter Boal & Company at the Joyce Theater

今日は私の本職の踊りのことを一つ。

ニューヨークシティーバレエ(NYCB)のプリンシパルダンサー、ピーター・ボール(Peter Boal)。
彼はニューヨーク出身で、10歳の時にSAB(School of American Ballet)にてバレエを勉強し始め、NYCBに入団した。最初のNYCBでの公演はこの時。今から30年前。今年40になる彼はNYCBを引退し、シアトルのPacifin NorthWest Ballet のディレクターになる。
数週間前に、彼がNYCBを引退する最後の舞台を見に行った。その作品は「Prodigal Son」(放蕩息子)。ノーブルな彼には今ひとつだと思ったが、それでもまあよし。最後ならオルフェウスとか、アポロを観たかった。

彼は時々NYCBとは別にフリーランスの仕事をしてきた。
モリッサ・フェンリーとのデュエットも日本では、数年前に新国立小劇場にて観た方もいることだろう!私もこの公演を観た時に、はっと思ったのを覚えている。NYCBのダンサーなのに、形に癖が無く、素直な踊り方は珍しい。モリッサを引き立てると言うよりは、彼の方に目がいってしまったのは、彼の綺麗なラインとパーフェクション。

一昨年まではソロコンサートを毎年やっていたが、昨年からはこのPeter Boal & Companyと名を打っての公演になった。それでも昨年は彼のソロが3つとデュエット一つ、そして4人の作品(ウィリアム・フォーサイス)とだったが、今年は彼のソロが一つと、Wendy Whelan(NYCBのプリンシパル)とのデュエット、彼女のソロ、3人の男性の作品、そして男性のソロという組み方で、彼のファンの私としては、若いダンサーを観るより、大人のダンサーの踊っているのを観たい!足なんか上がらなくとも(彼はしっかり上がるし、廻るし、ラインも綺麗で、体力の衰えはあまり気にしなくとも良いと重う)舞台に立った時に姿勢、感性、それだけで充分なのだ。

「Finding」は現在、Dance Magazineの編集長のWendy Perronが彼の為に作ったソロで、1993年の作品。此は彼には珍しいポストモダンダンスっぽい作品。普通に走ったり、水たまりに入らないようにしたり。フィリップ・グラスの曲で結構可愛く仕上がっている。

「Strange Hero」はホゼ・リモン舞踊団に昔いたDaniel Nagrinの作品。現在NYCBにて踊っている若いダンサーSean Suozziのソロ。此はスティーブンもリモン舞踊団に居た時に踊ったという作品で、ちょっとニヒルな、たばこを吸いつつという作品。その当時としてはかなりシャープな動きに作品で、今観るとちょっと短い!もう少し見せてもらいたい感じ。

「Distant Cries」はEdwaad Liangの作品で、ピーターとウェンディーのデュエット。ピーターのパートナリングは安定していて、観ていても不安はないし、ウェンディーの体はどの筋肉も全部綺麗に締まっていて解剖学の本のよう。このデュエット、内容はいったい何が距離を置いたクライなのか、さっぱりわからないが、この二人の踊りはもう少し観ていたいと思った。

「Body study III」は1995年に中国からニューヨーク拠点を移したことでかなり注目された
Shen Weiの作品で、ウェンディーのソロ。此も彼女の体が素晴らしい(女性として、そしてバレリーナとしての彼女の体は少し違和感があるかもしれない。というのも方から腰まで長方形の体、ウエストだけちょっとくびれているが、ディフォームしたように見える。)タイツにレオタードの衣装は彼女の体の細部までをきちんと見せてくれる。足の使い方、トーシューズを履いた足でのハーフトゥーがこれまたセクシーに見える。振り付けとしては彼女が色々出来るので、チャレンジしたのであろうが、その彼女でさえも大変そうに見えるというのは、かなりハードなのだろう。そういうダンスを作る必要があるのだろうか???こんないいダンサーを使って、力量以上のダンスを作る必要が???もったいない。

「Soft Watching the First Implosion」は確かモントリオールにベースに置くRubberbanddance Group のVictor Quijadaの作品で、ヒップホップからアイディアを採った作品。このグループの作品は前に一度見たことがあるが、私は作品として一晩に一つ見ればそれでよいと思ってしまう。動きはかなり面白く、ヒップホップと言うよりはストリートダンスのあのどこに重心を置いているのか???と思うような(昔のマイケル・ジャクソンのあの足使いのような)踊り。衣装もストリート系で、Tシャツの重ね着、だぶだぶのパンツ。此が衣装か???ポール・テイラーの衣装の方がまだましだ!!といいたい。衣装が替わると作品も少しは洗礼されて見えるのか?と疑問を持ってみていたが、どうなのだろう。

と面白い組み合わせになってはいるが、もっとピーターの踊りを見たかったのは私だけではないはず。
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by miki3lotus | 2005-03-22 13:17 | 舞台・劇場・芸術
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