パスカル・リユー・ダンスシアター   at the Joyce Theater

今週ジョイス劇場はパスカル・リユー・ダンスシアターの公演。

パスカルは、前に私のいるマーサ・グラハム舞踊団にて踊っていたダンサー。私もパートナーとしていくつか作品を一緒にしている。彼はフランス出身。一緒に踊っている時に、彼独自の重心の取り方、そしてとにかく至る所に円を感じる彼の動き、私は結構好きだった。
1989年に自作を作り始めてから、グラハム舞踊団を辞め、このカンパニーを設立。今に至っている。

今回の作品は3つ。
Kansas City Orfeo これはまだできあがっていない作品で、Work in Progress(制作中?)。照明のデイビッド・フィンリーは私の好きな照明家の一人。パスカルとずっとやっている人だ。来年の2月に完全版をキャンサスシティーでプリミアだそうだ。この作品、90年代のはじめに彼が作り始めた作品。衣装はその時の物で、デザインはラス・ヴォーグラー。30年代のキャンサスシティー、チャールストンのイメージがとてもよい。今回はその作品をさらに膨らませている所、そしてライブジャズオーケストラ付き。そして昔のオルフェオにボストンバレエ団のカルロス・モリナを使っていた。彼はとてもよく動くダンサー。パスカルの面白い重心の取り方も、そしてちょっと変わった動きも何なりとこなしていた。次のボストンバレエ団のニューヨーク公演が楽しみだ。

Les Noces これはストラビンスキーの有名な「結婚」。
私としては、どうもこの音楽を聴くと、ラー・ルボビッチの作品を思い出してしまう。ラーは、結婚する二人、そしてその二つの家族を取り上げて作品にしている。そしてパスカルは4人の女性と4人の男性を左右に置き結婚という儀式と言うよりもその後の二人の密なる関係の方を出している。前から思っているのだが、パスカルの踊りのテーマは男女の関係(いろいろな関係がある中)特にセックスにテーマを置いている物が多い。作品によっては舞台の上でここまでやるか???と思ってしまう振り付け(ここまで来ると振り付けと呼んで良いのか・・・?と)もある。今回のこの「結婚」では、それ程目をつぶるシーン(まあ、人にもよるでしょうけれど)はなく、かなり抽象的にセックスを表現していた所は、好感が持てる。
照明は先出のデイビッド・フィンリー、衣装はピラー・リモズナー。初めは下着状態で少しずつ着ていき、最後に衣装となるアイディア。う〜〜〜ん。

Firebird これもストラビンスキーの「火の鳥」
この2003年作品には、10歳ぐらいのブロンド少女も出演。可憐な姿の少女。そして周りはピラー・リモズナーの衣装で、8人が黒をテーマにした総タイツ(コラージュしてある)。とてもシャープな衣装、デイビッド・フィンリーの照明とハリー・フェイナーの装置はとてもマッチしている。が、この黒い8人が火の鳥なのか?火の鳥は目には見えてこない何かなのか???いったい???私のイマジネーション不足なのかもしれないが、曲が曲だけにどうしても火の鳥のストーリーが頭にちらちら出てしまう。

ダンサーは皆とてもよく動く。スティーブンの生徒だった(ジュリアード音楽学院の卒業生)ダンサーも3人ほど入っている。さすがによくトレイニングされているので、目に付く。若いって良いなぁ〜〜・・・
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by miki3lotus | 2005-06-17 10:48 | 舞台・劇場・芸術 | Comments(11)
Commented by Lyrcial J at 2005-06-21 23:26 x
独自の重心の取り方、興味そそられます~♪
黒い火の鳥は、こちら原産のLyrebirdを連想しちゃいました!華麗な尾羽をもつ慎重な鳥で野生のをみるのは難しいですが、キャンプするのに山奥の道なき道を4WDで走ってたら、とつじょ目の前に現れ、茂みの中を低空飛行で消えてゆきました。幻のようでした。何でもこの鳥、人工音とか他の鳥や動物の鳴きまね王で、birdbrainなんて言ったら失礼かも!優美な尾羽で踊る求愛ダンスがステキらしいです。8人の黒総タイツ、いいかも♪
Commented by miki3lotus at 2005-06-22 00:26
*リリカルJさま
ふ〜〜〜むふむ。そのLyrebird、大きいのですか?こちらでもいろいろな音を真似する鳥(モッキングバードとか言われていますが)これが可笑しくて、ガーデンの近く、車のアラーム(結構凄いやつがあるのですが、音が変わるやつ)が朝早くからなってうるさい。でもどの車かわからなかった所、数日後、これが鳥だったと言うことがわかり、みんな大笑い。しかしうるさいのには変わりはなく、本当に同じような音、そして音量でした。あの後どうしたのかしら???今は聞こえませんが。
パスカルは昔からちょっと変わった円形プラス重心の取り方をするダンサーでした。私もよく一緒に踊ったのですが、面白いの一言。今回の公演ではそれがあまり見られずにちょっと残念でしたが、もう一つ彼のテーマが・・・彼のテーマはいつも(どれも、Fiirebird以外は・・・)セックスなのです。それもかなり濃厚な・・・で、今回はそれがあまり見られなかったのでその点は良かったです。でも、彼の性に対する関心は底が深いのでしょう。友達は「いったいどんな性生活をしているのだろうか?」と不思議に思っているようでした。
とまあ、それはよいとして。そちら(オーストラリア)でも踊りの公演よく見に行くようですが、面白い物ありますか?
Commented by ray at 2005-06-22 22:03 x
ホント、若いっていいですね(私、ブログにアホな事ばかり書いてますが、30代中盤です。)。エネルギーと根拠のない自信に満ち溢れていて。
私は本当に迷いだしたのは30過ぎてからです。20代はとにかく、無謀にうごきまくっていたなぁ(しみじみ)。
30代になって迷うってのは、日本にいたから、ってのもあるかもしれないですね、、、プロのダンサーとか振付家っていう職業が確立していない為に普通の仕事をしながら踊るというジレンマがあって、みんな人生の岐路に立たされたとき、やめてしまう。もったいない。
NYといえば、私は米井さん関係の夏期大の講師だった面々(ウィリアムズバーグの人達、、、?)とは今でも交流があります。
あと、最近、こっちで友達になったドイツ人の振付家女性は10年くらいNYで活動していたので、また不思議な縁を感じてます。
私は、みきさんとは反対にNYに行きたかったのに、なぜかフランスにいる、という状況。(これまた反対に英語を勉強してたのに、フランス語を話せぬまま成り行きでこちらに移住してしまいました、、、)。
長々、私事ですみません!
また、いろいろ書かせてくださいね。
Commented by Lyrical J at 2005-06-22 22:16 x
mikiさん、Lyrebirdも同じです!彼ら(飼育用)の巧みな模写にすっかりだまされちゃう人も多いとか。にわとりサイズといいますが、尾羽が長いので大きく感じました。リラ(竪琴)に似た豪華な尾羽があって物真似するのは♂のみで、ものまね上手だと"モテる"らしいです。繁殖期になると、自分で舞台(土をけってマウンド)をつくって、狙った♀に声帯模写でラブコール。歌って踊って彼女の気をひくんだとか。どんな音でも歌えるそうです。4回転ピルエットで、Bowwow~♪とか、コッケコッコー!とか熱唱されたら、そりゃ~、も~。ね?
こちらの作品では、典型的なオージーblokesによる『Tap Dogs』とか。舞台も、踊りながら自分たちでどんどん組み立て、鉄鋼業をイメージしたテストステロンの濃い作品です。あと、先住民(アボリジニ)で構成されてるBangarra Dance Theatreは、ユニークかも。アボリジニは狩猟採集民族で、人間も自然の一部で動物や植物と一体であるという独特の精神世界を持っています。
Commented by miki3lotus at 2005-06-22 23:34
*レイさん、
結構ニューヨークで勉強して自国に帰ってからやる人も増えているようですから、そのドイツの方もそうなのでしょうね。
でも、日本のような、普通の仕事をしながら踊るという日本からでて、フランスに行って、どんな生活ですか?毎日どこかでクラスを取ったりしながら、創作して???アルバイトとかもしているのかしら?生活をすると言うことを考えるとどうしても目をつぶっていられないことがありますから・・・その辺りはどうなのですか?仕事としてもいろいろな所から入ってくるのには、ある程度宣伝(?)もしないといけないのでしょうね?
とても興味のあることなので、迷惑でなければ、教えてください。こちらにも沢山のダンサーが勉強に来て、めげて(いろいろな要素があるのでしょうが・・・)やめてしまうケース、日本に帰ってしまうケースと色々あります。
と、池田素子ちゃんとかは同年代???
Commented by miki3lotus at 2005-06-22 23:40
*リリカルJさま
見たいです。その歌と踊りで自分をアピールする姿。
確か、アポリジニのそのグループ、こちらにも来たはずです。確かジョイス劇場で見たような・・・見た頃は、踊りというとやはりきれいな物で・・・と言う思い入れがあった時なので、なんだこりゃ〜〜と思ったのですが、今になって確か・・・みたいです。これも。「Tap Dogs」はこちらでもやっていましたが、結構早くにしまったかな?今はブラジルかアルゼンチンのグループの「デルガルダ」(だったと思う)の空中を飛んだりするやつと、「スノウ何とか」(いつも題名が・・)で雪が舞うやつがその辺りかな。でもその他に、モダンダンスのグループとかもあるのでしょう?
友達がシドニーダンスカンパニーで踊っていますが、その他のChunky Move のような面白いカンパニーはありますか? 
Commented by Lyrical J at 2005-06-23 23:00 x
2つともアメリカや日本に行ってます。うふふ、バンガラダンス、なんだこりゃ~ですよね。音楽もディジュリドゥ(世界最古の管楽器)ですし。でも、彼らは何万年も前からいた先住民でありながら、ついこの間まで市民権や土地の所有権ももらえず、開拓期~白豪主義にかけて迫害の連続で、過去もまだ解決していないので、メッセージ、たくさん持ってるようです。で、他は、やはり超有名なシドニー・ダンス・カンパニーとか(お友だちって、あの日本人の方ですか?)、Australian Dance Theatreとか。観てみたいな~ってところでは、Leigh Warren and Dancersとか、BalletLabとか。う~む、SDCのお友だちに聞いちゃった方がどんぴしゃな情報かもですね♪mikiさんとオージーのコラボも観てみたい~
Commented by miki3lotus at 2005-06-23 23:16
*リリカルJさま
SDCの友達、そうです。その日本人の彼女です。そうですね、彼女にも聞いてみましょう。タダ、忙しくて、見に行ったりしているのかしら???
BalletLab というのは、名前の通り、バレエを開拓していたりするのかしら?面白そう・・・アボリジニの人達、今は土地の所有権とかはあるのですか?選挙権とかも?やはり何かに反発するような所がから出てくる物には、力強い意志を感じますよね。私の踊っている作品達もそうです。今日もこれからリハーサルです。あぁ、又・・・(今私の大先生がリハーサルに来ているので、辛い所です。)いってきます・・・
Commented by Lyrical J at 2005-06-26 19:44 x
BalletLabは、プロジェクトベースのハイブリッドなコンテポラリー集団らしいです。Leigh Warrenは、Australian Ballet育ちのジュリアードのOBだとか。うふふ。
アボリジニは、市民権を60年代末ごろ、土地の所有権を90年代に入ってから得ているので選挙権もあると思いますよ、たぶん。移民でも、市民権取得と共にvoteできますものね。本当にアボリジニの問題は、政治的にも、教育的にも色々あるようです。いつも間に入る人、2つの文化に生きる人が辛いですよ。それでも、それを形にする術を知ってる人は、幸せかも・・・。
Commented by Lyrical J at 2005-06-26 19:47 x
さて、長くなりますが、ここに↓
www.ausdance.org.au/outside/whatson/danceawards.html
Australian Dance Awards Winnerの作品、舞踊団、振付家、ダンサーの名がずらり並んでますので、AUSダンスの傾向や評価、ざっとつかむのに役立つかも。ここに名前のでていない、Sue Healey Company、Balletlab、TasDance、The One Extra Company、Mirramu Dance Company、Lucy Guerin Inc、Expressions Dance Company、Legs on the Wall、Dance North、Company In Space、Restless Dance Company、Stompin’ Youth Dance Company、Queensland Balletなどを加えると、バレエ・モダン・コンテポラリー分野のトップ集団をだいたい把握できるとのこと。ここは人口も市場も小ぶりなので、同じメンバーがスタイルを変えて関わってたり、あの人が今度はこの人とコラボを組んでたり(どこも、玉ねぎの芯の部分はそんなものかもしれませんが)。お時間があるときに、気長に検索をかけていただくとお好みのカンパニーが見つかるかもしれません。Have fun~♪これからも、オージーをご贔屓に!
Commented by miki3lotus at 2005-06-27 05:47
*リリカルJさま
いろいろと調べてもらって嬉しいです。有り難うございました。やはり同じ踊りなので、興味があります。確かこのADAWはシドニーダンスカンパニーの友達が去年もらった賞なのだと思いました。後で見てみます。やはり結構沢山のカンパニーがあるのですね。と言って、ニューヨークのように、アップタウンダンス、ダウンタウンダンスという分け方はしていないようですね。これはちょっとひどい言い方ですが、ダウンタウンダンスというと、カニングハムが王様のような感じで、カニングハム崇拝者達のグループ、そしてインプロ専門だったりもこの中に入っています。昨日は舞踏のエイコ&コマを見てきました。私は何でも観るので・・・面白いです。リリカルJさ間も何か見たら、かいているのかしら???
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