Hot Feet 

ブロードウェイのショーは、プレビューという時期があり、その後にオープンする。

プレビューの時は、かなりの直しが入り、ショーを短くしたり、長くしたり、振り付けをかえたり、せりふが変わったり。その間は普段のショーの値段よりは安くみることができる。

今42丁目のヒルトン劇場で今日までプレビューをやっている「Hot Feet 」を見に行った。
モーリス・ハインズ(グレゴリー・ハインズの息子)がディレクター、そして振り付けを担当。
照明はダンスの照明を沢山手がける才能ある我が知人、クリフトン・テイラー。彼の照明でかなり助かっているぶんがあったように思う。
セットデザインはジェームス・ヌーン、衣装はポール・タズウェル、
Earth, Wind and Fire の曲に乗って、かなりのテンポのよい曲達。シンガーは昔聞いたままの声のような気がした。もちろん今のアーティストのライブ。
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映画、「Red Shoes」を思わせる、赤いジャズシューズ。「Cotton Club」を思い浮かばせる、ナイトクラブでのショーという設定。
ブロンクスに住む母子家庭の女の子、ダンサーになるのが夢で、学校をさぼって、オーディションに行こうとする。母親はそれには反対。母親の目を盗んでオーディションに行き、見事パスするのはよいが、その後バレエマスターと恋に落ち、オーナー、リードダンサー、そしてほかのコーラスダンサーとの関係。そして母親とオーナーの関係が判明する。そのことで、自分の存在を知る女の子。「Red Shoes」の用に最初で最後のショーにて、この赤いジャズシューズを履いて踊り・・・・

主役の女の子はまだ大学生のヴィヴィアン・ニクソン。このショーのためにおそらく学校は中退になるだろうが、まだプレビューなのに、すでに右足首には包帯が巻かれたあった。果たして、オープニングしてどのくらい保つのだろうかと心配になったのは、私とスティーブンだけかしら????(後でクリフトンに聞いたら、彼も結構心配していた)
踊りの振りはかなり無理な物がかなりある。ハインズは父親のグレゴリーのあの繊細な、抑えめな感じは全くみられず、前の、それもかなり昔のジャズのクラスの振り、そして今はやりのヒップホップ調。私にはちょっと・・・
キャスト、コーラスの中に一人日本人女性がいるが、この作品はダンサーは歌わない。そしてこの彼女、背が低く、ジャズやヒップホップの動きはシャープさもあって抜群だが、唯一、ラインがきれいでない。足をアラベスクにあげたり、バットマンの時の(勢いで足をあげるように見えたのは???)膝が。と、一挙にダンス教師になっている私。でも舞台に上がるときには、この容姿という物がかなり大事。きれいに越したことはない。普段のことは本棚にあげて置いて(と自分に言い聞かせている感じですが)やはり人前で体をさらすので、この辺をもう少しがんばってもらいたい。
それを考えると、「42nd Street」にでていた日本人女性は(名前がわからず)体のラインはきれいで、歌も踊りもタップもできて、「ミュージカル」というものにでている歌のできるダンサーだと思った。

余談になるが、オーディションの時には
dancer who can sing
singer who can dance
という風に分けられる。もちろん作品よっては全く歌わないダンサーもいる(このHot Feet, もMovin'Outもそうだ。これらは果たして、ミュージカルダンサーといえるのだろうか?という点はちょっと疑問。ま、いいとして・・・

よかったのは母親役のアン・デュケスナイ、オーナー役のキース・デイビッド、悪魔ルイ役のアレン・ヒダルゴ。この悪魔役は、「キャバレー」にでていたではなかろうかと思わせるあくの強い役、彼が素晴らしかった。役にはまっているというか・・・

今、ブロードウェイはかなりの低迷。新しいミュージカルや舞台は映画や舞台のリメイクが多い。今回のこの作品のようにリメイクなくとも、話をどこからかとってきたような物も多い。そして歌手(エルトン・ジョン、ポール・サイモン、ABBA、ビリー・ジョエル、そしてこのEarth, Wind and Fire、次に続くのはボブ・ディラン。)
このように歌手の人の有名なのを使って作品を作るケースが増えてきている。Moin'Outのように、ビリー・ジョエルの曲でかなり有名な振り付け師が振り付けたが、歌の内容と話を無理にくっつけているかのよう。
歌手の人たちは一つの話にテーマを保って歌を作っているわけではにので、仕方がないが、だからミュージカル作曲家が必要なんだと言うことがよくわかる。有名な歌手のファンを連れてこようとしている気持ちはわかるけれど・・・

よき時代のミュージカルは古いのか???
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by miki3lotus | 2006-05-01 02:03 | 舞台・劇場・芸術 | Comments(2)
Commented by Lyrical J at 2006-05-01 22:54 x
ブロードウェイも低迷なのですか・・・
ハリウッドも、国内・海外からのリメイク映画ばっかりですよねぇ。
50年代頃に盛大だったミュージカル映画とか、ああいうのも、もう作らないし。
Commented by miki3lotus at 2006-05-05 05:33
*リリカル様
ブロードウェイの低迷はもうかなり前からです。エルトン・ジョンや、ポール・サイモンなどは新しく曲を作るからまだいい物の、ビリー・ジョエル、アバや今回の物は昔の曲を無理矢理つなげて・・・という感じ。
ジョニー・キャシュ、ボブ・ディランなどは、プロデューサーや振り付け師(トワイラ・サープなんかはもちろんその部類)はそのアーティストのファンを引きつけるためにやっているとしか思えない節もあるし。
50年代のミュージカルは、やはりかなりお金がかかっているから、今ぎんぎんぎらぎらをやってどれだけはいるか?という所がみそかも。
私としては、ビリー・ジョエルよりは、きらきらぎらぎらの50年代のほうが、ミュージカルをみた!という気がするけれど・・・それか、ストレートプレイの方がいいかな。
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